MX-106
特徴
MX-106は、maxon社製コアレスモータを搭載したMXシリーズの最高出力モデルです。非接触式アブソリュートエンコーダによる360°精密位置制御、PID制御、そして2台のDYNAMIXELを1つの関節に統合できる「デュアルモード」に対応しており、高トルクが求められる研究・産業用ロボットの主軸関節に広く採用されています。TTL(3ピン)モデルとRS485(4ピン)モデルの2ラインナップから選択可能です。
-
MXシリーズ最高クラスの高トルク
ストールトルク8.4 N·m(12V時)を発揮し、MXシリーズ中で最も高い出力を誇ります。225:1の減速比と相まって、重量物の駆動や高負荷関節に対応します。
-
デュアルモード(マスター/スレーブ連結)対応
2台のMX-106をシンクケーブルで連結し、1つの関節として協調動作させる「デュアルモード」をサポート。同方向・逆方向どちらの連結も可能で、さらなる高出力化を実現します。
-
非接触式アブソリュートエンコーダ+PID制御
360°位置検出が可能な非接触式絶対値エンコーダにより、デッドゾーンのない360°位置制御と4,096分解能(0.088°/パルス)の高精度制御を実現。PID制御により応答性と安定性も向上しています。
-
電流値検出によるトルク制御
モーター電流をセンシングすることでトルク制御が可能。負荷側からの外力推定や、繊細な力加減が求められるアプリケーションにも対応します。
ラインナップについて
通信方式の違いにより、MX-106T(TTL / 3ピン)とMX-106R(RS485 / 4ピン)の2種類をご用意しています。TTLモデルとRS485モデルは通信プロトコルが異なりますが、機能・性能は同等です。ご利用のコントローラ・システムに対応した通信方式をお選びください。
内容物一覧
| お届け内容 | 数量 | 備考 / 仕様 |
|---|---|---|
| DYNAMIXEL MX-106 本体 | 1個 | ご選択のモデル(T / R) |
| HN05-N102 | 1個 | ホーン |
| スラストワッシャー(ホーン用) | 1個 | Thrust Washer |
| 接続ケーブル(4P / 200mm) | 1本 | RS485またはTTL用 |
| レンチボルト WB M2.5x6 | 16本 | 組立用パーツ |
| レンチボルト WB M3x8 | 1本 | 組立用パーツ |
| ナット M2.5 | 18個 | 組立用パーツ |
※デュアルモード使用時は、別途シンクケーブルが必要です。
※MX-106のフレームはFR05系(MX-64/MX-106用)またはFR08系(MX-106用)をご使用ください。
詳細ハードウェア仕様 (Specifications)
※ROBOTIS公式ドキュメント(emanual.robotis.com)の仕様情報に基づいています。
| 商品名 (Model Name) |
DYNAMIXEL MX-106(MX-106T / MX-106R) |
| MCU | ARM Cortex-M3 (72 MHz, 32 bit) |
| 重量 (Weight) |
153 g |
| 寸法 (Dimensions) |
40.2mm × 65.1mm × 46mm |
| 分解能 (Resolution) |
4,096 pulse/rev(0.088°/パルス) |
| バックラッシュ (Backlash) |
20 arcmin(0.33°) |
| 位置センサー (Position Sensor) |
非接触式アブソリュートエンコーダ(12bit、360°) メーカー:ams、型番:AS5045 |
| 搭載モータ (Motor) |
コアレスモータ(maxon製) |
| 減速比 (Gear Ratio) |
225 : 1 |
| ストールトルク (Stall Torque) |
8.0 N·m(11.1V時 / 4.8A) 8.4 N·m(12.0V時 / 5.2A) 10.0 N·m(14.8V時 / 6.3A) |
| 無負荷回転数 (No Load Speed) |
41 rev/min(11.1V時) 45 rev/min(12.0V時) 55 rev/min(14.8V時) |
| 動作モード/可動範囲 (Operating Mode) |
ホイールモード:エンドレスターン ジョイントモード:0〜360° マルチターンモード 対応 |
| ラジアル荷重 (Radial Load) |
40 N(ホーンから10mm位置) |
| アキシャル荷重 (Axial Load) |
20 N |
| 動作温度 (Operating Temperature) |
-5°C ~ +80°C |
| 動作電圧 (Input Voltage) |
10.0V ~ 14.8V (推奨電圧: 12.0V) |
| 制御アルゴリズム (Control Algorithm) |
PID制御 |
| 制御信号 (Command Signal) |
デジタルパケット (Digital Packet) |
| 物理接続・通信プロトコル (Protocol & Connection) |
RS485/TTL マルチドロップバス TTL:半二重非同期シリアル通信 (8bit, 1stop, No Parity) RS485:非同期シリアル通信 (8bit, 1stop, No Parity) |
| 通信速度 (Baud Rate) |
7,834 bps ~ 3 Mbps |
| ID設定範囲 (ID Range) |
254 ID (0 ~ 253) |
| プロトコルバージョン (Protocol Version) |
Protocol 1.0(デフォルト)/ Protocol 2.0(ファームウェアアップグレードで対応) |
| フィードバック機能 (Feedback) |
位置 (Position)、温度 (Temperature)、負荷 (Load)、入力電圧 (Input Voltage) など |
| スタンバイ電流 (Standby Current) |
100 mA |
| ギヤ材質 (Gear Material) |
フルメタルギア |
| ケース材質 (Case Material) |
金属(前面)/ エンジニアリングプラスチック(中央・背面) |
動作モード(Protocol 2.0 ファームウェア使用時)
MX-106は、DYNAMIXEL Wizard 2.0を使用してファームウェアをProtocol 2.0(MX-106(2.0))へアップグレードすることで、以下の6つの動作モードが利用可能になります。Protocol 1.0(デフォルト)の3モード(ホイール/ジョイント/マルチターン)より大幅に拡張されます。
| 動作モード | 概要 |
|---|---|
| 電流制御モード Current Control Mode |
電流値(トルク)を直接指定して制御します。位置・速度のフィードバックなし。 |
| 速度制御モード Velocity Control Mode |
回転速度を指定して制御します。エンドレスターン(連続回転)に対応。 |
| 位置制御モード Position Control Mode |
0〜360°の範囲で位置を指定して制御します。 |
| 拡張位置制御モード Extended Position Control Mode (Multi-turn) |
マルチターン(複数回転)を含む広範囲の位置制御が可能です。 |
| 電流ベース位置制御モード Current-based Position Control Mode |
位置制御と同時に電流(トルク)上限を指定できます。過負荷保護などに有効です。 |
| PWM制御モード PWM Control Mode (Voltage Control Mode) |
モーターへのPWM(電圧)を直接指定して制御します。 |
※ Protocol 2.0へのアップグレードについて
Protocol 2.0ファームウェアへのアップグレードはDYNAMIXEL Wizard 2.0のFirmware Recoveryから実施できます。アップグレード後はコントロールテーブルの構成がProtocol 1.0と異なりますので、既存のコードや設定の見直しが必要です。
- ・ Protocol 2.0マニュアル: MX-106(2.0) ROBOTIS DOCS
- ・ Protocol 1.0とProtocol 2.0は同一バス上に混在させることができません
通信方式とコネクタピンアサイン
MX-106は「RS485/TTL マルチドロップバス」を採用しています。TTLモデルは3ピン、RS485モデルは4ピンコネクタとなり、ピン構成が異なります。メインコントローラとの接続時はピンアサインおよび回路構成にご注意ください。
| ピン番号 | ピン名(信号) | 備考 |
|---|---|---|
| 1 | GND | グランド線 |
| 2 | VDD | 電源電圧(10V〜14.8V) |
| 3 | DATA(TTL)/ RS485 TXD-RXD+(RS485) | 通信データ線 |
| 4 | RS485 TXD-RXD-(RS485モデルのみ) | 差動通信用 |
※ コネクタ仕様・モデル選択について
RS485モデルとTTLモデルでは通信方式・コネクタピン構成が異なります。お手持ちのコントローラ・インターフェースの対応規格をご確認のうえお選びください。他社製ケーブル等を使用される場合は必ず極性を確認してください。
- ・ ハウジング(TTLモデル): MOLEX 50-37-5033(3ピン)
- ・ ハウジング(RS-485モデル): MOLEX 50-37-5043(4ピン)
- ・ 推奨ワイヤゲージ: 21 AWG
ご使用上の注意
-
ロボット設計時の推奨負荷について
ストールトルク(12V時8.4 N·m)は瞬間的な最大静止トルクです。実際の連続使用時の最大出力は、性能曲線(N-Tカーブ)上の値がストールトルク定格値より小さくなる点にご留意ください。ロボットを安定して持続的に動作させるためには、設計上の実用負荷を十分なマージンを取って設定してください。
-
デュアルモード使用時の注意
デュアルモードでマスターとスレーブを連結する際は、フレームで物理的に固定した状態で使用してください。フレーム接続なしで使用した場合、各モータへの負荷の差により同期が取れなくなる場合があります。
-
温度アラーム(過熱保護)発生時の対応
内部温度が制限値(初期値 80°C)を超えると保護回路(シャットダウン)が働き、アラームLEDが毎秒点滅してモータ出力が0%になります。この状態になった場合は一度電源を切り、再使用する前に「20分以上」待って十分に冷却させてください。高温のまま無理に使用を続けると深刻な破損の原因となります。
-
通電中のケーブル抜き差し禁止
製品の故障や予期せぬショート、破損を防ぐため、電源が供給されている状態(通電中)でのDYNAMIXELケーブルの接続・取り外しは絶対に行わないでください。
-
RS485モデルとTTLモデルの混在について
同一バス上にRS485モデルとTTLモデルを混在させることはできません。システム構成時は通信方式を統一してください。
適合コントローラ・インターフェース
コントローラ:CM-2+, CM-700, OpenCM9.04(+ OpenCM485拡張ボード), OpenCR
インターフェース:USB2Dynamixel, U2D2
工場出荷時設定(初期設定)
ID:1
通信速度(Baud Rate):57,600 bps
※ ID・通信速度などの各種設定は、お客様の使用環境に合わせて変更可能です。